先輩社員の声

入社年:2010年

リードゲームデザイナー

  • 今どんな業務をしていますか?

    アクションゲームの企画職、ゲームデザイナーを担当しています。
    「企画」というと、言葉としては「コンセプトを創造しプロジェクトを計画する」ことを指しますが
    ゲーム会社では、プロジェクトが開始した"後"の諸業務も「企画」と総称されることも多いです。
    作業範囲は、アーティストやプログラマー、サウンド以外の作業はすべて…と言って差し支えありません。

    私を例にして具体的に挙げると――
    「ストーリーのテキストや声優台本」「キャラクターの性能調整」「武器の作成」といった自分で完結するものから
    「アーティストへの発注」「プログラマへの仕様説明」といったチームとの連携を必要とするものなど多岐に渡ります。

  • この仕事に求められる事はなんですか?

    ただひとつ「誰かを愉しませたい」という直情を持っている事だと思います。

    ただそれは性格の一部であり、能力の優劣とは関係ありません。たとえ能力が高くても「誰かを愉しませたい」という
    感情が薄い人もたくさんいて、そういう方はゲームの企画職には向いていないと個人的には考えています。

    もちろん仕事を進める上で求められるスキルは「交渉術」や「現状分析力」など枚挙に暇がありません。
    しかしそういった合理的に説明できるものは、逆にいえば後天的に獲得できるので、まずはなにより
    神様から与えられたギフト…あるいは呪いが「誰かを愉しませる事が好きだ」であるという前提が大切になります。

  • これまでで一番うれしかった事はなんですか?

    「自分が作りました」と言えるほど深く携わったゲームが発売され、そのプレイ実況を見たときです。

    実況者は一喜一憂、とても楽しそうにプレイしてくれ
    画面はゲームの様子が見えないばかりにコメントに覆われる…。(何の媒体で見ているかバレてしまいますね)
    上手くいかなかった事への忸怩たる想いもありますが、まさに「クリエイター冥利に尽きる」瞬間です。

    新たなプロジェクトで挫折しそうになっても、発売後に待っている「この光景」を想像すれば
    何度でも立ち上がる事ができます。

  • 就活生へのメッセージ

    就職後の話になりますが―― どの職業であっても、最初は辛い事の連続だと思います。
    ただ、もしその辛さが「自分への不甲斐無さ」や「無力感」に起因するものなら大丈夫、アナタは優秀な人間です。
    「無力感」という影は、「こうできたはずだ」という理想像が大きいほど巨大に顕れるからです。
    夕日を浴びて聳え立つウルトラマンを想像してみてください―― その影はきっと巨大でしょう。

    また、先輩たちも自分と同じ人間なので、中には指導や叱責が得意でない方もいますし、
    場合によっては、アナタは「自分は役に立たない人間だ」と人格まで否定されたように思うでしょう。
    しかしそれは単に経験値の問題です。現状の"自分のSkill"を不甲斐無いと思っても、今までの"自分のSelf"を貶めてはいけません。

  • 今後の目標・野望を教えてください。

    ・キチンとした正統な対戦ゲームを作りたいです。
     (例えばTPSのカメラ操作は、それ自体が面白いものではなく"仕方なく"ああなっているのに、という想いがあります)
    ・チェスのような知略を使うアナログ風ゲームが作りたいです。
     (残HP表示や演出、ユーザーインターフェイスといった映像面はデジタルがサポートする)
    ・モノポリーや桃鉄でいう「物件」を、生態系の「占有」に置き換えた動物モチーフのボードゲームを作りたいです。
     (「増資」をして物件を盤石にするように、住まう土地によってパキケトゥス→バシロサウルス→シャチ…と「進化・適応」していく)

    ――って、ああ! もう文字数が!

一日のスケジュール

  • 午前

    ‟文系”クリエイティビティ、最大出力!

    午前中は「無から有を創る作業」のに最も適した時間です。
    この時間をメールチェックやスケジュールチェックに割くのはもったいない。
    私の場合、チームに迷惑がかからない最低限の返信・調整等を行い
    それ以外の時間を「文系」的な作業に宛てがいます。

    ストーリー、キャラクターのセリフ、武器の解説文などの執筆作業を行う時間になります。

  • 午後

    タスクやメールのチェック

    午前中に後回しにしていた(後回しにできた)メールや
    各セクションからの依頼内容のチェックを行います。

     

    実装作業。企画は料理人!?

    一日の中で最も時間を割く「実装作業」です。
    各セクションから上がってきた成果物を、ゲームとしての形に落とし込む作業になります。
    喩えるなら、それは料理のようでしょう。
    「剣を振る」というアクション一つ取ってみても、アーティストが作った剣のモデル、アニメーターが作ったモーションプログラマが作った制御機能……という素材を混ぜ合わせる作業が必要になります。
    いい具合に素材を調理してお客さんに提供する、それが企画の仕事なのです。

  • 夕方

    二段ジャンプしたいよ!仕様書作成とミーティング

    実装作業や試遊を通して感じている問題点をチームと共有しそれを解決するための提案、あるいは仕様書を作成します。

    特に、問題の解決のために新しい要素(たとえば二段ジャンプしたい…etc)が必要な場合は「それが必要な意味」「それでどう面白くなるか」を説明するミーティングを執り行います。
    価値を共有する事で、各セクションに高いモチベーションで作業してもらうためです。

  • 夕方以降

    試遊。つまらない、の確認

    プロジェクトの進行具合にもよりますが、ゲームが動く状態なら一日の最後に試遊を行います。

    開発中のゲームの感想など、ほぼ100%「つまらん!」です。
    しかし、その「つまらない」という感覚をプライベート時間にアイドリングさせ続ける事が重要です。
    映画を観ているとき、ジムで泳いでいるとき、ピアノを練習しているとき……
    不意に脳の蓋が開いて「こうだったら面白いのでは!?」が降りてくるためです。