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Count.9 「これは、決して崩れる事のないジェリコの壁!」

極私的スーパースター列伝 Vol.4 クリス・ジェリコ

人間、急いでると肝心な事を忘れてしまうものですね。
先日、打ち合わせの席を急ぎの用で退出しようとした際、
靴を履かずに部屋を出て行ってしまい、その事に気付いて戻ると、
正に「裸足で駆けてくだ」と笑われたKenzyです
(ジミー・スヌーカの如く実際に裸足だったワケではない)。
思わず「フローネかよ、ふしぎの島の!」とツッコミそうになりましたよ。
でも、家に帰ってお風呂入ってる際中にハタと気付いちゃったんですよね。
多分、言いたかったのは国民的アニメの方の若妻の事だと。
自分のマイノリティな思考回路に嫌気が差し、
その日は布団を被って、うむぅと呻く事になるのでした…。

でも、フローネの曲自体は名曲だと思うんですよ。
無人島に流されたけど、自然はステキ的な歌詞と相まって。
だ〜がしかし、だがしかし、この世にはトホホとなる曲もあるんです。
その一例が、スーパー・ライガー入場曲、曲名もそのままスーパー・ライガー。
ライガーを名乗るだけあって、名曲「怒りの獣神」をイメージさせるものですが、
おそらく作曲者が違うのか、どうにも中途半端なアニソン風味。
プロレステーマでもアニソンでもない、まるで妖怪人間の様な不遇の曲になってしまったのでした。
スーパー・ライガーというレスラーと同様に。
一体、中の人はどんな気分で聴いてたんだろう…。

「ロックと比べりゃゴミみたいなモンだったぜ、ジュニア?」

あら、何故かロックンロールの尊師、クリス・ジェリコの声が。
丁度いいので今回はジェリコの事を語ってみたいと思います。
何故、タイミング良く声が聞こえたかはともかくとして…。

クリス・ジェリコ。
これ程試合巧者と呼ぶに相応しいレスラーはいないと思います。
いや、ジェリコの場合、正確にはプロレス巧者でしょうか。
試合は当然の事ながら、マイクアピールのお達者具合、
それどころか無言でエントランスに現れるだけで目が引き付けられてしまいますから。
特に統一王者時代の、背中を向けて2本のベルトと共に両腕を広げる登場シーンは、
ああん、好きにしてとばかりにシビれます。
日本で試合をしている頃はライオンスパイク
(トップロープに相手を立たせた状態からの雪崩式フランケンシュタイナー。あなおそろしや)
には驚かされつつも、入場シーンでどうこうというのはなかったです。
WCW在籍時はほとんど見ていなかった事もあり、WWEでの変わりようにはびっくり。
その時の気持ちは、数年振りに再会した幼馴染がすっかり女らしくなっててドギマギという
テンプレに近いと言えば分かり易いでしょう。
…分かり易いでしょうっ。
にしても、一体何故?
思うにキャラクターの開花かなと。
本人の持ってる一面と演じるキャラクターがカチっと合った時に、
スーパースターとしての魅力が出てくるんじゃないでしょうか。
テイカーに「このベルトを取れたのもファンの声援のお陰だよ」とか、
ミステリオに「貴様のケツをシバき回してやるぜ!」と言われても、
おいおいおい、ちょっと待ってくれ、いや待ってくださいになってしまうワケで、
やっぱり、ジャストフィットな配役があるんです。
それがジェリコの場合、ブロンドヘアーのナイスガイや冷酷非情なヒールでもなく、
自信過剰の小ズルいが、後で必ず痛い目に遭うヒール。
正にハマり役。ミステリーに当てはめたら、
「は、人殺しかもしれねぇヤツと一緒にいられるかよ。俺は部屋に帰らせてもらうぜ」
と分かり易すぎる死亡フラグを立てかねません。
自分勝手な理屈で理不尽な要求をして、
途中までどれだけうまく事を運んでても最後は失敗、
でも懲りずにお前達のせいだとファンを罵倒、
それに反論する様に登場してきた新たな相手と生まれる因縁、
でもって最初に戻る的な図式が、キャラ立ち過ぎてて飽きないんですよね。
人間発電所ならぬ人間永久機関。
もっとも、これだけなら当てはまる他のヒールもいるんでしょうが、
ジェリコのいいところは背が高くないって部分。
…褒めてます。
周りのスーパーヘビーに比べると、どうしても劣る体型。
ましてやパワーファイターでもないのに、堂々と渡り合う姿。
いや、堂々とはしてないかもしれませんが、
あの有利と分かるや否や一気呵成に攻め立てる大人気なさには
小物感が思う存分発揮されてて堪りませんね。、
しつこい様ですが、褒めてます。
で、小物感と言えばダウンした相手の頭を、
「おい、早く起き上がれよ。それとも起き上がれないのか、んん?」
と平手でペチペチ叩くのも、それは技と言っていいのか?って不安になる位いやらしくて、
もう愛するしかない、夏…。

そういうワケでここまでベタ褒めのジェリコですが、
唯一の不満は近年のウォール・オブ・ジェリコにあります。
どこにでもある技をスタンスを変える事、そして使い続ける事で必殺技に昇華させたのは物凄く偉い。
しかも、あのボストンクラブをってんですから、そのハードルはどれだけ高かった事か。
だが、逆にそれが戻ってるじゃんかー、今っ!
これには某超燃えるプロレス漫画で主人公が必殺技として
ジャンピング・ラリアットなるものを考案するものの、
何でジャンピング・ネックブリーカーからラリアットに進化したのを、
お前が元通りにすねんとツッコまれるやり取りを思い出さずにはいられない。
今考えれば、ラリアットとネックブリーカーの前後関係もどうだろうというカンジですが、
後々ジャンピング・ラリアットという技自体は、実際に誕生してるのは興味深いなぁ。
余談はともかく、今のウォール・オブ・ジェリコったら、何てプレーンなボストンクラブ。
いや、逆エビ固めと呼びたい。
古き良き前座試合じゃないんだから、もっと華を。
あんなに高くそびえ立っていた壁が、えらくまた低くなったもので…。

「別に。一緒に帰る理由がない……」

「途中……までなら構わなぃ」

「まだ、帰らないの……?」

嗚呼っ、そんなクーデレの心の壁が如く低くなってる!

そう、あの壁と呼ぶに相応しい立ち姿をまた見たいですね。
それが見れるなら、Fozzyのアルバムも買うよ!
おっと、要はこれだけ好き好き言っておいて、CDは買ってないって事に気付いちゃダメだ。
更にRAWでライブをやってたシーンは早送りしてる事を察してもいけない。

でもまぁ、オリジナルなウォール・オブ・ジェリコを欲しているのは確かなのです。
ついつい短歌を詠んでしまう位には。


クーデレの心の壁は低くとも ジェリコの壁は高くあるべし


やば、文化遺産誕生…。