UFC応援コラム

UFC.31 「バスの「降りる」ボタンを巡っての牽制を想像していただければかなり近いはず。」

皆様こんにちは。株式会社ユークスのヤマチューです。

さて、僕がUFCについてのコラムを書かせていただくことになってから1年が過ぎました。
有難いことに連載回数も30回を越えています。自分でも驚きです。

4回くらいで屈強な警備員につまみ出されるかと思っておりましたが、UFCという題材の熱さのお陰で続けることができております。

少しだけ過去を振り返りましょう。
記念すべき1回目のタイトル、『ちょっとアンタじっとしてなさい!』。

これを初回のタイトルに選んだ筆者の気持ちが解りません。誰より近いはずなのに、誰よりも遠くに感じます。
センター試験に出題されていたら、さぞ多くの人間の運命を狂わせていたことでしょう。

UFCの軒を借りる形ではありますが、このコラムも少しずつ歴史を重ねています。

そこで改めて感じるのが、総合格闘技としてのUFCの歴史の積み重ね。
誕生から間もなく急激な勢いで人気を拡大し、いまや世界最高の興奮と熱狂を世の人々に提供し続けています。

何人ものレジェンドが産まれ、オクタゴンの中で絶対的な強さを見せつけてきました。

その中から、今回UFCの歴史を振り返る意味で、1人のファイターに注目してみたいと思います。

皆様ご存知、『ジ・アイスマン』 チャック・リデル。
全盛期の輝きを今も尚失うことなく戦い続ける、現在進行形のレジェンドです。

さて、このチャック・リデル。

UFCにおいて、輝かしい実績を残している伝説的なファイターでございます。
当時激戦区であったライトヘビー級のタイトルを4度も防衛しているという獅子奮迅っぷり。
その防衛相手もランディ・クートゥア、ティト・オーティズとレジェンドクラスばかり。

そんなリデルに全世界が大興奮。
UFCの人気拡大の時期と相まって、リデルの強さは圧倒的な支持を得ていきました。

数年前、UFC=チャック・リデルであったと言っても過言ではない程の人気を誇っていたと言います。

解ります。ここ数日、会社の資料でリデルの試合をずぅっーと観ていた僕には解ります。
多分次の対戦相手でもこんなに観ていないのではないかと思うくらい観ている僕には解ります。

チャック・リデルの魅力ってやつが!

まず風貌。
一度見たらなかなか忘れないインパクトある風貌をしております。なにせモヒカン。
モヒカン=リデル、リデル=モヒカンの図式が完全に成り立っています。

ユークス社内でも「そろそろ髪を切らなければ」、「髪型を変えたいなぁ」などの話題になると、『リデルみたいにしたら?』と誰かが絶対言いますからね。もう、絶対言いますから。僕も言いたくてしょうがないですからね。
あ、畜生、先言われた! みたいな。バスの『降りる』ボタンを巡っての牽制を想像していただければかなり近いはず。

この愛されっぷりは他のファイターにはない特殊なものかもしれません。

更に目元の彫りが深く、特に試合中などは眼窩が影になって見える。口ヒゲをたくわえている。などなど…
まるでアメコミの世界から飛び出してきたような印象を与えます。ゾクッときます。

そしてそれよりもインパクトを残すのはその試合ぶり。

一言で表すならば進化系ストライカー。

例えば、皆様がUFC Undisputedをプレイしていただいていたとします。
スタンドが得意なファイターを使用していた場合、どのように戦えば勝利が近付くとお考えになるでしょうか。

おそらく、まず思いつくのが『スタンドだけで勝負する』こと。

一切グラウンドに行かず、柔術家にもレスラーにもスタンドで対抗する。
それが純粋にして単純、一番勝率の高い方法になるかと思います。
勿論プレイされた方もそうでない方も、口で言う程簡単にできることでない…というかほぼ不可能なのは想像に難くないはずです。

しかし、それを現実のMMAでやってのけたのがチャック・リデルなのです。
『あらあら、グラウンドで戦いたくないなら、スタンドで戦えば良いじゃない』という純粋な理論を実践してのけた人です。総合格闘技界のマリー・アントワネットです。

未来からきた男GSPが試合中に想像のつかない計算を行っているとすれば、チャック・リデルが行っているのは1+1のような単純計算。
しかしこの1+1を2と言ってしまえることがどれだけとんでもないことか。

チャック・リデルというファイターの底知れなさに驚愕するばかりです。

そして得意のスタンドでの圧倒的なまでの実力、爽快です。
特にリデル最大の武器でもあるオーバーハンドライトは一見の価値アリですよ。
背筋に冷たいものが走ります。納涼の一撃。

とにかく一試合。もう一試合。と資料を漁る手が止まりません。
やめられないとまらない、です。

格闘技応援の爽快感を確実に味わう事ができる究極のストライカー。
それがチャック・リデル最大の魅力と言えるのではないでしょうか。

さてさて、そんなリデルも御年40歳。
UFCの殿堂入りも果たし、貫禄充分。なお前線で戦い続ける姿に、衰えは一切感じません。
今後のチャック・リデルからも目が離せません。

ということで個人的に今非常にアツいチャック・リデルがコーチとして活躍しております、TUFシーズン11も見逃してはなりません。

相手方のコーチは、リデル終生のライバルである『ハンティントン・ビーチ・バッドボーイ』ティト・オーティズ。
このティトもUFCを語る上で外せない存在です。ライトヘビー級を5度防衛しているのですから。凄すぎる。

しかしリデルには2度負けているためか、対抗心は解りやすいほどにメラメラ。
TUFの中でもそれは顕著に表れています。

リデルが氷の男ならば、このティトは炎の男。
ランペイジとはまた質の違う豪快さが、見ている側からすると凄く面白いのです。
なにせ、名前がティト(=暴君)。納得。

普段理知的で冷静なリデルも、ティトが絡むとアツく…あれ、なんか毎シーズンこうだ。

それだけTUFコーチのマッチメイクが絶妙ということ。
波乱の予想されるコーチの組み合わせをわざわざ選りすぐっているわけです。

そしてダナ・ホワイトは毎シーズン毎シーズン喧嘩を見てニコニコ。本当に楽しそうで何よりです。

これまでのUFCを支えてきた2人が、これからのUFCの顔になる若者を未来に送り出す。
そんな熱い構図のTUFシーズン11に関しては、いずれまたたっぷり語りたいと思います。

ということで今回はここまで。次回もお付き合い宜しくお願いします。