UFC応援コラム

UFC.29 「波止場のL字型のあれに足をかけて遠くを見る行為に匹敵。」

皆様こんにちは。株式会社ユークスのヤマチューです。

UFC117ご覧になりましたでしょうか?

タイトルマッチは大興奮の試合展開でございました。
パワフルなテイクダウンとパウンドで最終ラウンドまで圧倒していたチェール・ソネン。
圧倒されていた状況で一瞬の勝機を確実に掴み取ったアンデウソン・シウバ。

試合前のやりとり含め、互いの意地と意地がぶつかり合う、UFC史上に残る名勝負の1つになったかと思います。

そして気付けば、『UFC118 EDGAR vs. PENN 2』が目前に迫っております。

ライト級タイトルマッチも大注目! には違いないのですが、今回のコラムではあえて同大会の二つのカードにスポットライトを当ててみたいと思います。

まずはランディ・クートゥア vs ジェームズ・トニー。
マーク・コールマンとのレジェンド対決を見事制した、鉄人ランディ・クートゥア。

その対戦相手であるジェームズ・トニーなる人物。
この方、なんと元ボクシング世界チャンピオンなのです。
しかもIBFミドル級、スーパーミドル級、クルーザー級の3階級制覇という偉業を成し遂げたボクシング界のレジェンド。

ボクシングという格闘技の頂点、つまりは殴り合いにおいて世界一です。

その人物がボクシンググローブを捨て、ほぼ素手のようなオープンフィンガーグローブに付け替える。
打撃の衝撃、拳の硬さはよりダイレクトに伝わってくるはず…! その威力は想像を絶します。

今までベッドに寝ていたのに、いきなりフローリングで寝ろと言われるようなもの。鉱石の一種かと思われるほど筋肉強張った状態で次の日の仕事に向かわねばなりません。何の話ですか。

大注目のこの試合。
UFCレジェンド、クートゥアがMMAは甘くないとばかりにテイクダウン、グラウンド&パウンドを叩きこむのか。
44回のKO勝ちを記録したボクシングレジェンド、トニーの拳がオクタゴンでも火を吹くのか。

UFC vs BOXING。

まさに、THE・異種格闘技とでも言うべき図式。異様な緊張感が生まれます。

次にスポットを当てる試合は、ケニー・フロリアン vs グレイ・メイナード。

この試合が次期ライト級挑戦者決定戦といっても良いでしょう。
つまり同大会で行われるフランク・エドガー vs BJ・ペンの勝者とこの試合の勝者が戦うのが濃厚!

UFC118が終わった瞬間には次のタイトルマッチのカードが決まっているも同然という熱さ!

どんな気持ちで4人がこの大会に臨むのか…想像するだけで興奮します。

ケニー・フロリアンは常にタイトルコンテンダーの位置にいる実力者です。
五味隆典選手のUFC初挑戦をチョークスリーパーで退けた試合も記憶に新しいかと思われます。

TUFシーズン1ではディエゴ・サンチェスに敗北し、優勝を逃してしまいました。
UFCデビュー後は2度のタイトル挑戦をしていますがいずれも失敗。
チャンピオンにふさわしい実力と実績を持ちながらも無冠のまま。

それには、ライト級にBJ・ペンという絶対王者が君臨していたことも影響していました。

しかしフランク・エドガーによってBJ・ペンの牙城が崩され、ライト級は群雄割拠の戦国時代です。
この混戦の中、無冠の帝王が一気に王座に昇りつめるのか。目が離せません。

対するはグレイ・メイナード。
本名は、ブラッドリー・グレイ・メイナード。え、何それカッコイイ。魔法使いみたいな名前。

公式戦9勝0敗1無効試合。いまだ無敗。
高校時代にレスリングの全米チャンピオンに輝いたレスリングテクニックをベースに、ボクシングとパウンドで相手を圧倒していくそのスタイルは、まるでチームメイトであるランディ・クートゥアのよう。

現チャンピオン、フランク・エドガーのキャリア唯一の敗北がこのグレイ・メイナードだというのですから、その実力は折り紙つき。タイトル挑戦の資格はバッチリです。
しかし、一見完璧に思われるグレイ・メイナードのキャリアの中で、気になるのは『1無効試合』という部分。

さっそく会社の資料を探ってみました。それがTUF5 Finalで起こったことが判明。

そう、彼はTUFシーズン5出身のファイターなのです。
そのときのコーチはなんとBJ・ペン。
BJ・ペンチームの生徒というポジションで戦っていたファイターが、今やBJ・ペンと同じステージで戦っている…もしかしたら次戦で戦うことになるかもしれない…浪漫の塊ではないですか、この方。
しかもBJ・ペンとは互いのスキルを教え合う程の仲だといいます。
コーチであり友である存在を越えるというのは、まさに漢の浪漫。
波止場のL字型のあれに足をかけて遠くを見る行為に匹敵。

件の試合はスピーディーかつ、超積極的な展開で進みます。
グレイ・メイナードのアグレッシブな動きは迫力抜群、スピードもパワーも凄まじいものを感じます。

そして2ラウンド、メイナードはタックルから相手を金網に押し込み、そのままリフトアップしテイクダウン。
マットに叩きつけられた時点で相手が苦悶の表情を浮かべます。
どこかを負傷した様子で上に乗るメイナードの体をタップ。

試合続行不可能。ドクターが駆け込んできます。

凄まじいテイクダウンで勝利を掴み取ったメイナードは、力が抜けたようにゴロリと仰向けになります。
やはり激しい試合を終えた後は脱力感が凄まじいのか…まるで糸が切れたように寝て…

…気絶しとるっ!!?

テイクダウンの際、メイナードは頭からマットに突き刺さるように落ちてしまったようで、その衝撃で失神。

おそらく観客も何が起きたか解らなかったことでしょう。
観客も実況も解説もざわめいておりました。

僕も何がなんだか解りませんでした。そもそも勝敗はどうなるのかと。

結果は無効試合。UFCの歴史の中でも珍しい結末でしょう。

公式記録こそ無効試合ですが実質ダブルノックアウト。凄く貴重なものを見てしまいました。
UFCに歴史あり。色々な試合に色々なドラマがあります。

フランク・エドガー、BJ・ペン、ケニー・フロリアン、グレイ・メイナード。
ライト級トップランカーが一堂に会するUFC118、今から楽しみで眠れません。

そして、そこに五味選手がどう絡んでくるのか。
タイソン・グリフィン戦のあのパンチを見ると可能性を大いに感じるところです!!

ということで今回はここまで。次回もお付き合い宜しくお願いします。